どうも、あき(@lyonxyloto)です。
最近、メキシコ人と接しているうちに
彼らの家族愛をものすごく強く感じました。
日本人にとっては欠けているところかもしれない。
1ヶ月間、メキシコのサカテカスにあるお客さんのところで
泊まり込みでメキシコ人とお仕事を一緒にしていたんですが、
もう家族愛がすごいんです。。
僕はイラプアト在住で片道4時間、
一緒にお仕事をするメキシコ人たちはセラヤからなので5時間という距離に
サカテカスは位置しています。
30代の男泣き出す
1ヶ月間サカテカスに一緒に仕事しに来てる30過ぎたメキシコ人が10日目で
「家族に会いたくて寂しい」からって実家に帰ってしまった。
昨夜は電話して泣き出したらしい。
日本なら「は?」ってなるところだけど、
家族との愛を大事にする国民性だけに引き止めることはやめた。— あき@メキシコ🇲🇽 (@lyonxyloto) 2017年8月17日
最初に感じたのはこの件。
出張先で仕事が始まって10日だというのに
その前の晩、母や妻と会えなくて泣き出したという。
僕と彼らは同じホテルではないので直接見てはいないが、
仲間は口を揃えてそう話してくれました。
日頃から僕にスペイン語で汚い言葉を
メキシコ人仲間に言わせて、笑いを楽しんでいる
小学生みたいなやつが、「母と妻に会いたいから帰る」
って言って、急遽仕事をキャンセルしてしまいました。
僕はどうせ3日くらいたったらまた戻ってくるんでしょ、と思っていたが
そうではなくてもう戻らないという。
普段から口が悪く、
冗談や下ネタを連発して他人をからかっているやつが
戻ってこないなんて信じられませんでした。
pinche(くそったれ), pendejo(バカ)が口癖です。
日本人の僕にはわけがわかりませんでした。
1ヶ月ホテル住まいなのは事前に案内していたし、
まだ仕事も折り返し地点でもなんでもない、むしろこれからというところ。
まして彼にとっては”国内”です。
10ヶ月日本に帰ってない自分の方が
「お前の10倍以上、寂しいわ!」って言ってやりたかったけど
どうも本気でした。
日本で車で5時間といえば、愛知に住んでいた僕が
東京や横浜に行くくらいの感覚。
メキシコには新幹線こそないが、
この距離感なら言葉や時差の違いはありません。
彼の住むセラヤという街がハタから見て特別、魅力的な街でもなく、
サカテカスは旧市街が世界遺産なだけで何もない街です。
日本で教育を受けた日本人なら
「1ヶ月間、あなたの実家から5時間離れた、ちょっとあなたの実家よりは
魅力の少ない街だけどここで仕事をしてくれないか?」
と言われたとしてもほぼ全員が全うするはずです。
なお、ここでは仕事内容がブラックかホワイトとかといったことは抜きにして、
単に”環境のみ”着目します。
日本人は学校で受けてきた教育や家族環境の刷り込みなのか、
「仕事」というシーンにおいては、冠婚葬祭以外の家族のイベントは
優先度が低い。というか仕事を優先するのが当たり前になっています。
しかし、メキシコでは家族のイベントやできごと>仕事
として成り立っています。
「母や妻に会えなくて寂しい」という理由が
ごくごくあるかのように受け入れられています。
上司もOKを出してしまう。
日本人が仕事中に「母や妻に会えなくて寂しいので実家に帰って、
もう仕事キャンセルしていいですか?」
って言ったら「は?何考えてんの?」となりますよね。
でもそれが通っちゃっているんです。
あんなに人をからかってふざけていたやつでも
意外とセンチメンタルなんだなって気づきました。
逆に弱さを見せないためにからかっていたのかもしれません。
そういうやつっていたりしますよね。
イジる側のやつが寂しがり屋なパターンって。
母さんと電話させてくれ!
もう一つは仕事仲間が電話をしていたときのできごと。
これは泣き出した男とは別の40代の男なのですが、
あの電話を譲らない姿勢、「ここはおれに時間をくれ!」感がすごかったです。
というのは、明日やる作業にも影響することがあったので
仕事を終える前に相手に確認をとる必要があった時のこと。
僕はこの週、携帯が故障していて電話を自分の端末から
かけられなかったので彼からよくメキシコの携帯を借りていました。
僕は彼に携帯を借りて確認事項を一緒に確認しようというところだったけれど、
彼の携帯に着信音が鳴りました。
相手は彼のお母さん。
僕はその時点では「後でかけ直す」って言って電話を切るか、
着信音を無視してくれると思っていました。
しかし、彼は、「母さんや、電話したい、ちょっと待ってくれ!」
と端末を貸さなかった。
気迫がこもった表情で言われた。
家庭事情はわからないですが
ここでも家族>仕事 でした。
泣き出した男と電話の彼、それ以外にもう3人男がいたんですが、
そのうちのもう2人は、昼食中は100%電話しています。
電話が昼飯の半分は占めています。
その相手は彼女か妻か息子。
クリスマスは必ず家族と過ごすメキシコ人
毎年クリスマスが近くと街でクリスマスソングが流れ出しあちこちでイルミネーションが見られるようになると「彼氏・彼女・恋人」を意識せざるを得ないのは無理はないかもしれません。
日本は異常なまでに「カップルと過ごさなきゃ」みたいな雰囲気があると思います。
メキシコでは12月24日25日は家族や親戚が一同に集まって夕食をともにする習慣があります。
一同に集まるこのイベントはメキシコ人にとってとても優先度の高い予定なのでカップルや夫婦であれば、クリスマスは片方の家族のところで夕食をともにし、年末年始にはもう片方の家族と集まるのが一般的です。
なので家族といることが最優先なので「カップルと過ごさなきゃ」という感覚は全く感じません。
どうしても一人で過ごしたくなければ、気の知れたメキシコ人と事前に友達になっておいて「クリスマスや年末年始が暇ならうちで一緒にご飯食べようよ!!」と言ってくれる仲間を築いておくことをおすすめします。
メキシコの12月25日は法定休日(カレンダーでいうと赤表示)なのでショッピングモールもレストランも閉まることが多いです。
まさに「家族との団欒を大切にしてください」と暗示されているかのようです。
彼氏・彼女がいない人は家族と過ごせばいいんです。
日本に住んでいる人も周りなんて気にせずに実家に帰って家族と一緒にいたらいいじゃないか。
2016年と2017年のクリスマスをメキシコで過ごした経験則から言うと付き合ってない段階でクリスマスが来る場合のメキシコ人とのデートは24日25日にデートすることは不可能です。
まず家族との予定が優先されます。
そこで意中の人から家族の集まりに呼ばれたなら「カップル成立」「家族公認」となれるでしょう。
家族はかけがえのない存在
この国では仕事がどんな状況だろうと家族は第一になっています。
何歳になろうとこまめに連絡を取り続けている。
家族>仕事 この感覚がかなり強いです。
僕もまだ抜け切れていないんですが、日本人は 仕事>家族 という考え方が多いです。
家族が恋しいから仕事をボイコットするなんてないし、
仕事の電話より家族の電話を優先する日本人は見たことありません。
でもこんなくらい家族を大切にしてみようとも考えました。
僕は2017年1月に祖父を亡くしました。
しかし、メキシコでのスケジュールが埋まっていて帰国できず
結局、祖父の最期を見届けることができませんでした。
今思えば、なんであの時仕事を放り投げて、
祖父のいる病院に飛びつかなかったんだろうと何回も思うことがあります。
仕事のせい?
航空券が高かったから?
距離?
今の僕ならすぐに空港に走っています。
時間は進む一方でもとには戻せません。
人間誰でも1日は24時間ですし、人生は1回しかないのです。
日本では今や育児休暇をとる男性も増えてきて、
働き方や家族との過ごし方が見直されている時代だと感じます。
仕事を優先させる挙句、父親が自分の子供の成長過程を見届けられないなんて信じられないとさえ思います。
もっともっと家族や大切な人との時間を大事にしたい。
仕事をしていたとしても冠婚葬祭でなくても頻繁に家族と会えるような距離感が必要。
仕事とプライベートの境目をなくすような。
日本はもっと寛容に優しい目でみてあげる社会でないと
窮屈な人だらけになってしまうと思います。
仕事しか考えていなくて、大事な人が二の次になっている。
「仕事だったから〜できなかった」っていう言い訳は嫌ですね。
彼らと会うたびに
No te extrañas Japón y tú familia ?
って言われるけど
日本が恋しいし、家族が恋しいよね。「10ヶ月日本に帰ってない」っていうと「お前それやべーよ」って言われる。😳
— あき@メキシコ🇲🇽 (@lyonxyloto) 2017年8月17日
僕が直面したメキシコ人とのできごとはその場では
理解できなかったけど、振り返ってみて
彼らの判断に任せてみてよかったと思っています。
メキシコで滞在する日を重ねるにつれて、僕はメキシコ人的な感覚になりつつあるのも事実です。
日本人の感覚は海外の人から見てやはり、異常。
なぜ過労で命を落とすのか、仕事を優先しすぎるあまり、
一番大事な人生を終えてしまうなんて本末転倒。
ワークライフバランスではなく、ライフワークバランスを重視しなきゃいけないと思います。