スナックコミュニティに学ぶ余白

スナックコミュニティ
SPONSORED LINK

Hola!!
あき(@lyonxyloto)です。

イラプアトですごい落ち着くカフェを見つけました。
あんまり人に教えたくないんですが、
Cafe Punta del Cieloがすごいいいです。

ただ不完全なカフェなんです。人によっては好き嫌いあるかもしれません。

不完全な場所

人って完全、完璧なものよりも
少し欠点や不足している方が気に入ったり、
好きになることってあると思います。

一般的に問題点がない場合、人は疑問を抱かないし、
そのものや場所について気にもとめないと思います。

日本にもおしゃれなカフェはたくさんあります。
外装、内装、サービスも抜けどころがなく
ストレスを抱えない場所は多い。

そのカフェを気にいることがあっても
家族とまではとてもじゃないけどそんな関係にはなれない。

家とも呼べるほどにはなることができない。

しかし、不完全さがある場所は
なんか助けたくなる。
この空間に通い続けるのはなぜだろう。

数ヶ月前に読んだSHOWROOM前田さんの『人生の勝算』のスナックコミュニティ
近いんじゃないかなと思ったんです。

前田さんが言うにはスナックが潰れないのは
潰れない設計でできているから。

本書を引用します。

スナックは構造的にコストを最小限に抑制しながら
売上を作れるビジネスモデルになっています。
固定費について、スナックの多くは、
オーナーであるママの自宅を改装して営業することが多く、
家賃がほとんどかかりません。
加えて、従業員もママとバイトの子たちくらいで回していることが多く、
最小限に抑えられています。

<中略>

僕がよく行くスナックでは、ママが本当にずぼらで、すぐに酔い潰れてしまうので、
お客さんがグラスを洗ったり、お酒を作ったりしています。
これは、普通のレストランでは考えられないことです。
もはやお客さんと店員の境目がなくなっているのです。
一度、店員というゾーンに入ってしまったお客さんは、お店が自分の居場所であり、
守るべき城だと思うようになります。
高いロイヤリティを感じるようになるので、お客としても、当然通い続けることになります。

前田さんの言う通り、一度店員を助けてしまうと
助けてあげたいと思うようになり、
通いつめてしまう。

カフェのスタッフは大学生のバイトのみ。
オーナーさんは一度もお店に足を運びません。
オーナーさんは「今月売上が少ない」「もっと呼びこめ」とか何も言わないので
バイトの子たちは”のびのび”とやりたいようにやっています。

お腹が空いたらカフェに出前を呼んで、カフェの席で食事して
お客さんが全くいなければ、レゲトンを大音量で流したり、
パソコンやスマホで好き勝手ネットサーフィンして遊んでいます。

もう働いているのか、客なのかわかりません。

ここに着て最初に驚いたのは
Google mapには日曜午前7時開店とあったので
営業日だなと確認してから
11時ごろカフェに向かったんですが、
まだお店が空いていない。

「いまカフェの機械を温めているから30分待って」と言われました。w

このマンションはオフィスが入っていて
平日はビジネスマンも出入りのある建物ですが、
営業中の「やりたい放題」感はすごいです。
特に大学生の子が出勤してくる夕方からフリーダム!
スナックコミュニティ
ちょっと出かけてくるね、と僕を残してショピングモールや薬局に
店番をせずに行ってしまうところが”メキシコ”感を通り越しています。

ここでいう”メキシコ”感とは遅刻、スマホいじり、
営業中の私用電話くらいなイメージです。

僕がお客さんに
「ちょっと店員さんたちが買い出しに行っているんで
少し待ってもらえますか?もう少しで戻っとくるので。」
とアテンドしているんです。

でもバイトの子たちが愛嬌あって怒りたくなくなるんです。
手伝ってあげようかな。と

日本だったらクレームの嵐ですぐ営業停止に追い込まれても
おかしくない状況ですが、
メキシコ人ってそんなワーワー言わないんですよね。

カップルがテラスでいちゃついたり、スマホをいじって時間を潰して
怒らずにコーヒーの注文を待っているんです。

で、僕がちょっと待っててくださいって言ったカップルや夫婦が
今度は次のお客さんに対して”伝言係”の役目を務めているんです。

別に年配なオーナーがお店を切り盛りしているから
身体を気遣ってとか全然なく、
僕よりも若いバイトの子がお店を回しているだけなんですが、
店員がやりたい放題でも許してしまう自分がいます。

このカフェでコミュニティが深まる要素を挙げてみました。

・余白:店員が働いていない。営業時間がテキトー
・常連客:中学校の先生一人のみ。
・仮想敵: サービスにうるさいお客
・秘密共有: 売り上げは度外視
・共通目的やベクトル: 日本語という言葉
余白はすごいあります。
店員が仕事をしていません。土日なんて開店時間がバイトの気分次第。
余白がデメリットと感じる人は多いでしょう。

コミュニティって言うほど、常連客なんてマジでいないのに
このクローズドな空間に入ったらもう家族みたいに心が落ち着きます。

仮想敵はサービスにうるさいお客です。
「なんで開店時間になっても開いていないんだ!」
「どうしてお店は開いているのに店員がいないんだ!」
この手のクレームはあるかもしれませんが
”こういうお店”なのです。

日本ではありえないですが、”郷に入ったら郷に従え”です。

秘密共有は常連の中学校の先生とスタッフの間でしかないんですが、
売上は全く求めていません。

中学校の先生はスペインから来た先生でいつも午後2時くらいに
授業を終えて、毎日来ています。
彼は独身で40代くらいなんですが、おしゃべり相手が欲しいんです。

バイトの子たちは楽しくおしゃべりしながらダラダラしています。

共通目的はバイトの子たちはアジア人好きで日本語に関心があります。
”先生”も紙芝居に興味があるようで
よく自分も入って日本語を教えたり、スペイン語と日本語の違いを談義しています。

ここのカフェCafe Punta del Cieloがすごいところは
雰囲気がバツグンにおしゃれでいいのに
道路から見えにくい立地のせいか
全然お客が入っていないのにもかかわらず、4年近くも潰れていないことです。

スナックみたいに自宅の一角を
改装しているわけでもないんです。

インスタでこのカフェを探したらチェーン店だったんですが、
なおかつ売上管理が大事になってくるのに、です。

どうやってやりくりしているのか全く不明なんです。
バイトの子たちも「売れなくても潰れないから居心地がいい」といいます。

自社ロゴがあって、コーヒーカップや持ち帰り用の紙コップ、
紙ナプキンも自前のものを用意しているので
少なからずコストはかかっている印象です。

ちゃんと魅力はある!

不完全な部分を助けたいと思う以外に
Cafe Punta del Cieloはちゃんとカフェの魅力も持っています。

メリット

・カフェ店内の居心地がいい、広いテラス席がある
・おしゃれ
・コーヒーがうまい
・ざわざわせず落ち着ける
・ビジネスホテルと共同の広い駐車場があり、車でも通いやすい
テラスの雰囲気は最高にいいんです。
田舎にあるカフェとは思えません。

なのでオモシロいことにGoogle mapの口コミは賛否両論な意見が飛んでいます。

・muy mal servicio「サービスが全然良くない」

・Excelente café, café de campo mexicano,
se respira un ambiente de tranquilidad que permite relajarse o trabajar concentrado
「すばらしいカフェ、メキシコの田舎のカフェ、
リラックスできて仕事に集中できる雰囲気」

意見は人それぞれさまざまですが、
気になる方はぜひ行ってみてください。

Cafe Punta del Cielo

定休日はありません。
夜10時閉店で開店時間は時間は”テキトー”です。

SPONSORED LINK
▼この記事を今すぐSNSでシェアする▼

ABOUTこの記事をかいた人

aki

ブログ「ワクワク-WacWac-」を運営。 常にワクワクを求めて。 スペイン語圏の国が大好きです! 高校サッカー時代に過ごした部活から プロ選手が誕生したのを機に海外に興味が出る。 →英語ではなく、サッカーが盛んな国が多いスペイン語を選択。 大学時代にスペイン語とバックパッカーにハマり、 訪れた国は32か国。 オセアニア、中央アジア、中欧、西欧、南米を周遊。 メキシコ駐在経験やスペイン滞在、スペイン語情報を中心に発信しています。