メキシコ国費留学というのを初めて知ったんですが、
どんなものかすごい興味があったので実際に体験した人にインタビューをしてみました。
Motokiさん(@motokoba0603)は僕がメキシコ駐在していた時期と丸かぶりしていて、
Twitterでは駐在中からお互い知っていたんですが、
実際に会うことになったのは帰国後の都内のインテルカンビオ(スペイン語交流会)でした。
国からお金をもらいながら留学できるってよくないですか?
初期費用ゼロですよ。
これならお金を理由に留学できないということはないですね。
ただ、認知度が圧倒的に低いと思っていて、今回の記事をきっかけにメキシコへ留学したい!と思う人が一人でも増えればうれしいです!!
募集ってどんな感じ!?
でも周りの友達にメキシコへ留学しようと思ってるって言いまくっていたら友達の一人が「国費留学」っていう方法があるよって教えてくれて、知ったんです。
他にも埼玉県とさいたま市や、和歌山県、広島県、京都府もそれぞれ定員を設けて募集をしています。
今あげた県や市はメキシコに姉妹都市、州があるからなんですね。
僕はさいたま市に住む埼玉県民なんですが、県の募集から申請していて、市でも募集していることはあとから知ったんですよ。
普通に考えて、市と県では人口が違いますし、応募倍率も変わってきます。
のちの2010年にフェリペ・カルデロン大統領と鳩山首相はこれまでの「日墨交流計画」の成果を踏まえて日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」と改められた。
当然、さっきあげてくれた県や市に住んでいない人は、外務省のHPからしか応募できないですよね。
外務省への応募だと残る国内の応募者と競うことになるとハードルが高く感じます。
最初は書類選考でしたか?
僕は大学生だったので、大学の教授3人からの推薦書が必要だったので書いてもらいました。
あと健康診断書、志望動機word3枚(日本語と英語ORスペイン語の2種類)、研修計画書(日本語+英語。こちらも2種類)、大学生は成績書、あとTOEICとかの語学力証明書が必要でしたね。
なんなら就活より必要書類が多いですわ。。www
提出してから1〜2週間後には結果がわかって、そのあと県庁面接でした。埼玉県の面接は1回だけでしたね。
1月が応募締め切りだったんですが、県から結果がわかる2月ごろで「99%合格と告げられる」と言われました。国費留学プログラムの最終決定はメキシコのCONACYT(科学技術振興機構)というところが下すんですけど、正式な合否がわかるのは4ヶ月後でした。
あ、そうそう、埼玉県に限った話でいえば、県は留学に力を入れていて、中国、アメリカ、オーストラリアへの留学プログラムがあるんです。僕は県主催じゃなくて外務省の留学プログラムだったんですけ、その国々に行く合格者とともに県庁へ表敬訪問をしましたね。
それにしても埼玉県の制度めちゃめちゃいい!!関東に進学する大学生なら都内よりも埼玉に家を借りて
大学の交換留学以外にも県の制度を使って留学するのも一つの手ですね!
僕たちは2017年に行った45期(日墨留学生と言うらしい)にあたるんですが、この年全員で34人でした。大学生が多かったですが、省庁関連の人も多かったですね。あと警察官。埼玉県警、千葉県警、警視庁の人がいました。警察官の人は、多くが国内スペイン語話者への対応対策のようで。何人かの人は帰国したあとにそれらの部署に異動したって聞いてます。
あと日本サッカー教会からの推薦枠でサッカー審判の人も2人いましたね、メキシコのプロリーグでの実戦経験も積んでいたようです。
官僚の人もいたんですね、政府系の留学プログラムなら言われてみればそうですね、警察官も公務員ですし。それにしても国内対策って警察官はドメスティックなイメージでしたが、確かに国内にいる外国人が増えてきたら英語なり、スペイン語なりその国の言語を扱えたりしないと取り締まりもできないですよね。
あとサッカーの審判員っていいですね!メキシコはサッカーが盛んですし、審判スキルを磨くにはかなり刺激的な環境ですね!!
メキシコ滞在
ぶっちゃけどれくらい国からもらえるんですか?
場所はメキシコシティですね。留学期間は途中でやめることはできないですし、原則1年間は国外に出ることは禁止です。
到着して1週間はホテル手配がありました。
そこからは、家はこれまでのメキシコに行った留学生が代々更新している住宅情報があるんですが、
主にその情報を元に住むホームステイ先、シェアハウスを決めて行きましたね。もちろんその住宅情報から選ばないといけないわけではなく、自分で見つけてもいいし、途中で引っ越してもいいし、住む家はどこでもいいです。
そうですね、国から毎月10,000ペソ(約60,000円)ぐらいが支給されます。
給付金については国費留学のホームページにも金額が出ていますね。
あと僕は県を通じての派遣なので毎月埼玉県へ滞在レポートを出していました。
僕は2016年の11月5日から2018年の3月29日までいたので2017年は丸かぶりしていましたね。w
他に稼ぎがなければ支給される60,000円ほどから家賃を払っていくわけですよね?
僕は駐在中は都市でも村でもない中規模の街に住んでいたんですが、家賃抜いたら7,000ペソ(40,000円くらい)で生活できてました。シティでの生活はどうでしたか?
いわゆる東京みたいな首都での暮らしだとほしいものはなんでも手に入るし、お金はすぐなくなっちゃいそうですね。
メキシコシティはいろんな飲食店やファッションブランドとかあってメキシコの他の街に比べればかなり魅力が多いイメージですけど、1年もいたら飽きそうですね。w
だから国内旅行に結構行っていて、モンレテイ以外の主要都市にはほぼ全て行きましたね。
お金は毎月余裕であまりましたよ!そんなに遊びでお金を使うことは普段していませんでした。僕はホームステイだったんですが、家賃が3,500(約21,000円)ペソだったんでメシ代と学校までの交通費を入れても十分でしたね。他の国費留学の生徒も3,000ペソ〜6,000ペソぐらいでした。
それにしても家賃が3,500ペソ(約21,000円)は激安ですわ!!
僕の街は留学都市でなければ、ホームステイもないのでその値段の賃貸は治安的にかなり危険ですね。
5,000ペソ(約30,000円)ほどの賃貸も少しはありますが、セキュリティ面や清潔感から日本人が住むのはおすすめできないです。駐在員が多い街っていうのもありましたが、みんな24時間警備員がいる住宅地区で生活していましたね。
それはお金は余りますよね!そうそう、60,000円は支給されるってことなんですが、授業料とかもタダですか?
ただ、1ヶ月半に一回進級するとき1,000ペソ(約6,000円)の教材費は自費だったんですよ!あれはなんとかしてほしいですねぇ。
僕ら国費留学以外の大学生や総合商社の社員の人もきていたんですが、そこそこな費用を学校に払っていたと思います。
語学学校
最初にテストを行ってクラス分けされるみたいなかたちですか?
ただ、国費留学としての終了基準はレベル6(中級程度)です。
だから9月〜翌年7月までの5段階しか進めないんですよね。
そうなると最低でもスタートの時点でレベル2には入っておかないとレベル6には到達しないんです。
ただ、進級テストで出席とか文法、作文、会話ふくめて進級テスト70点以上の取得が義務です。
70点以上を取らないと国からの給付金がその月もらえないんですよ。
でもテスト60点以上であれば合格なので65点とかとってしまうと、
進級はできるのに給付金がでないという事態になるんです。僕はそれを一度経験してました。。
僕は合否が決まってから出発までの間でスペイン語を猛勉強したのでなんとかレベル3に最初から入って1区分を残してレベル6をクリアできました。
レベル0や1から入ってしまうと留学プログラムの修了基準に満たないわけですね。
おもしろいシステム!サボっていたら国からのお金がもらえない、つまり他に稼ぎや貯金がなければ生活していけなくなりますね。。
それにしても合格結果がすぐに日本の外務省に反映されるんですね。。
逆にレベル3や4から入れた人は順調にステップアップしていけば、レベル6を修了する時期は早くなりますよね?
Motokiさんも1区切り余裕ができたってことなんですが、残りの期間は何をされていたんですか?
スタートの時点で高いレベルに入って、順調にいけばあとあと余裕が生まれます。
そのままレベル7以降の授業を受けてもいいし、UNAM(メキシコ国立自治大学)の授業を聴講したり、企業やボランティア団体へインターンシップをしたり、何もしなくてもいいですね。レベル6までクリアできれば、あとは自由です。
あらかじめ勉強しておいて、高いレベルに入っておいたほうが、有意義にメキシコでの時間を過ごすことができますね!
国費留学中のMotokiさんの1日のスケジュール
月〜金
7:50 起床(ギリギリまで寝るタイプ。)
8:20 出発 自宅〜語学学校(CEPE) 地下鉄で40分。
9:05〜12:00 まで授業 時間通りはじまらないw ラテンですね。
13:00〜15:00までダンス
CEPEでのダンス講座はレベル分けされた違うクラスにいる世界中の留学生と仲良くなれるのですっごいおすすめです!!
レベルごとに開講されるコースがあるんですが、ダンスは全クラス共通でした。
スペイン語の発音や文法講座があったり演劇とかの他のアクティビティもありました。2コマ以上受けたい人は自費ですが、参加することができます。
逆にアクティビティを何もやらないくてもいいんですが、クラス以外のつながりができないんですよね。
15:00-18:00ダンスレッスンの友人とメシ。雑談。
18:00 or 19:00 帰宅
18:00 or 19:00~20:00仮眠
20:00-25:00 ルームメイトと晩ご飯、宿題、NETFLIX鑑賞
週末
普段お金を使わないので給付金で余ったお金で国内旅行にはよく行っていました。
これから参加される方へ
ただ、治安の問題は少しはありますが、治安を理由にいかないのはもったいないです。1年間かなり濃い体験ができるんでスペイン語が好きなら行くべきですね。
あと僕は大学生でいきましたが、国費留学は*20歳〜40歳まで参加できるのでワーホリより参加できる年齢幅が広いのも魅力的です。
*コロナ禍のプログラム有無に関しての最新情報は直接、在日メキシコ大使館へご確認をお願いします。
こちらもわかり次第追記いたします。
大学では交換留学はよく耳にしましたが、僕はMotokiさんと出会うまではこの留学の選択肢を聞いたこともありませんでした。